絶対音感をつける! 子供のおけいこ記録と補助ツール

我が家では、子供3人に絶対音感をつけるべく、独学にて江口式絶対音感プログラムのおけいこをしています。長男は絶対音感を獲得しておけいこ卒業。次男、三男はおけいこ中です。また自作ではありますが補助ツールもご紹介しております。

書籍「絶対音感神話/宮崎謙一著」を読んでみた。

私は紆余曲折ありまして、

絶対音感のブログを書いておりますが、

 

私自身が絶対音感について詳しいわけではなく、

江口先生の本を読みながら、

子供に絶対音感のおけいこをしているだけです。

 

ですが、ブログを始めてから、

あんまりいい加減なこと書いてはいけないな、と思い、

江口先生の本を読み直したり、

絶対音感”に関する情報をネットで探したりしています。

 

先日図書館にて、絶対音感に関する本を探してみると

絶対音感神話」という本がありました。

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普通ならこういった文字数の多い本は

読むことはないのですが、

興味本位で読んでみました。

 

今回その本の感想を書きたいと思います。

 

なお、私は性格がひねくれているので、

批判的な感想になっています。

本書のファンの方、申し訳ございません!

 

ピンク字は著者の意見青字は私の意見になります。)

 

絶対音感神話とは?絶対音感の本質

本を読んで、まず著者の方が強調されているのは、

絶対音感”を特別な素晴らしい能力と誘導しているメディアがおり、

勘違いしてしまっている人がいる、ことを危惧している。

ということかと思います。

 

絶対音感のイメージとして、

 

・音楽の道に進むためには絶対音感が必要

・音楽家はみな絶対音感をもっている

絶対音感がある=良い耳をもっている

絶対音感はすばらしい万能の音感

などなど

 

があるけど、

 

絶対音感はあくまで、

音を正確な高さで判断することができる能力

であって、音楽的に優れた能力ではない。

 

ということです。

 

なるほど!

私もそれ以上でもそれ以下でもないと思っております。

 

というか、昔は絶対音感ブームがあったんですね。

私の周りには”絶対音感”という言葉を知っている人は皆無なので、

そのことがまず驚きです。

 

著者は絶対音感に否定的

本の序盤は

絶対音感は客観的にこういう能力なんですよ、

ということで説明されており、納得なわけですが、

 

本を読み進めていくと、

絶対音感を否定したい!”という色が

濃くなっていきます。

 

”この実験結果だけでは、

絶対音感=すばらしい音楽的才能」という

見方に異論を唱えるにはまだ説得力が十分ではない”

 

と、意地でも異論を唱えよう、というな感じになってきて

若干怖いです。

 

絶対音感のデメリットとは? 相対音感能力が低い

 

なぜ著者は絶対音感に否定的なのか?

 

音楽は音のつながりができているので、

音を音としてとらえる絶対音感

音楽的とは言えない。

むしろ相対音感の方が、音楽的と言える。

 

という前提で、

 

絶対音感を持つと定義した人と

絶対音感を持つと定義した人に

相対音感のテストをさせて、

 

絶対音感を持っている人の方が、

テストの正解率が低いので、

相対音感を持っていない=音楽的ではない

 

ざっくりいうとこういう

ストーリーになっていると思いました。

 

ただそのテストの内容を見ると、

著者も言われていますが、

絶対音感持っている人にはエラーが

出やすい内容かと思いますし、

 

実験の一例を見てみると

 

絶対音感を持つと定義した人(15人)

絶対音感を持つと定義した人(15人)

と少ない人数のデータですし、

絶対音感保有者の正解率が低い4名を除けば、

それほど違いもないし、

 

統計的に有意差あるといえるのか?

と疑問にも思いますし、

 

絶対音感相対音感は別物と考えると

思ったより絶対音感持っている人の正解率いいな、

という風にも見えてきます。

 

前述のように著者の立場としては、

絶対音感=すばらしい音楽的才能」という

見方に異論を唱えたい

わけですから中立的な立場からの

データの判断は難しいでしょう。

 

(そして私も絶対音感のおけいこをしているので、

 中立的な立場からの判断は難しいでしょう。)

 

その他、いろいろ絶対音感に関する

ネガティブな話が書かれていますが、

そこまでのデメリットなのかな? と思う程度でした。

 

私が絶対音感のおけいこを始める際に危惧していた、

絶対音感をもっていると、生活音全てが

  音に聞こえてしまいノイローゼになる。"

ということについては本書でも、

”ありそうなことではあるがわからない”と書かれているのみでした。

 

そのあたりは心配なさそうです。

長男の様子をみてもまったくその様子はありません。

 

絶対音感ある=音楽的能力ない ??

著者は絶対音感ある、なしで

音楽的能力があるか、ないかを

議論されていますが、それが非常に疑問です。

 

楽家であれば、

絶対音感があるか、ないか、とか

それほど気にされていないのでは? と思います。

 

音楽が好きで好きでたまらない、とか、

思うように曲が作れなくて悩んでる、とか、

絶対音感の有無に関係なくされているんじゃないでしょうか。

 

「自分は絶対音感がないから音楽向いてない」、とか

絶対音感もってるから絶対音感もっていない人より優れている」、とか

思われてはいないと思いますが、どうなんでしょうか。

 

絶対音感のメリット 採譜に有利

 絶対音感に対して最終的には、

悲観的な結論にもっていかれている本書ですが、

絶対音感のメリットについても記載されています。

 

曲を楽譜にするうえで強みになることは確かである。

 

ミュージシャンは耳コピーの必要に迫られることがある。

採譜をする需要は結構あり、ビジネスとして成り立つほどである。

 

これこそが私が、子供におけいこをしている理由であり、

この力があることで音楽をより楽しめるのではないかな、

と思っています。

 

このことは明記されており安心しました。

 

全体を通しての感想

著者が中立的でなかったのが非常に残念!

 

ではありましたが、

私は江口先生の本しか読んだことがなかったので

 

違った角度で絶対音感を考えることができてよかったです。

 

楽家でもない著者の方がなぜそこまで批判するのか、

最後まで疑問ではありましたが、

非常にまじめな方だということは文から伝わってくるというか、

 

根拠のないことは書きたくない、

という著者の意思が伝わってきて、

 

読んでいて悪い気はしませんでした。

 

新しく生まれた疑問

 本書のなかで、

 

世界のオーケストラの基準ピッチは440~446ヘルツのため

A=440ヘルツ の絶対音感を持っていると、

不都合がある。

 

という記載がありました。

 

 

長男はどうなんだろうか??

絶対音感テストで満点とるくらいの正確さであれば

そのヘルツの違いも 、わかるだろうが、

 

果たして、そのピッチの差が聞き分けられるのだろうか??

 

今度、ピッチの違う音の音感テストを作って

試してみよう。。。 

という密かな好奇心がわいてきたのでした。

 

以上、読書感想文でした。😊